アタマもココロも使いすぎてませんか?

『一日に6万回』

これ、何の数字か分かりますか?


正解は『人が一日に思考する回数』だそうです。

一日に6万回・・・

数字にすると驚きますが、しかもその9割が繰り返して同じ事を考えているのだそうです。


そして私たちの『心』はその思考や思い、いろんな刺激に対して反応しては揺れ動く・・その繰り返し。

そのほとんどが自分の意思とは関係なく自動的に湧き出てくる無意識の思考によって気分を感じています。


頭の中はいつもやるべきこと、考えるべき事で常にいっぱいなのに、

それに加えて未来の期待・不安・心配、または終わってしまった過去の出来事を考えています。


例えば、まだ起こってもいない未来の事を考えている内に頭の中の一人お喋りが始まって、さらにリアルな出来事のようにストーリーまで作り出したり・・笑

かと思えば、終わってしまった過去の事を引きずって、頭の中であーでもない、こーでもないとグルグルと考えている内に気持ちがモヤモヤ・・


思い当たる事はありませんか?

誰にでもある事だと思いますし、もちろん私もあります。

なぜなら人間の思考は一つの事に集中するのが苦手で、すぐに未来や過去、今ここではないどこかの世界に飛んで行きやすいからです。



無意識の頭の思考のループが続けば心は常に反応して揺れ動くので、

 ⇒ 自分の意思と関係なく気分も感情も勝手に一喜一憂

 ⇒ 気がつけば知らず知らずの内にアタマもココロも使いすぎ

 ⇒ 疲れやすくストレスも感じやすくなる

 ⇒ 身体や心の不調となって現れる事もある



今の私たちの生活は24時間情報が溢れ、身体は動かさなくてもネットで便利に何でも手に入り、コミュニケーションだってオンライン上でできて、ただでさえ『脳』だけを使う時間が増えて頭優位で過ごしています。

便利な暮らしではあるけれど過剰に頭だけを使って、

心や感情や気分は脳の反応で常に揺れ動き続けて、

でも逆に身体を動かす機会は減り、

生きるために必須な呼吸は浅く意識しづらくなっています。

これはとてもアンバランスな状態です。


ではどうすれば良いか・・?


答えは『身体』にアプローチする、つまり身体を動かすことが最善です。

とてもシンプルですがこれが頭と心の働きを穏やかにするために一番最初にやるべき事です。



ご存じの通りヨガは『身体・呼吸・心』を安定させ整える時間です。

具体的に言えばクラスではポーズを行う事で身体を調整し、

呼吸法で呼吸を整え、

シャバーサナで身体と心の休息と回復の時間を取り、

そして最後は瞑想の時間で脳や心の働きを鎮静させていきます。


でもただ身体を動かせば良いと言うものではなく、

大切なのはヨガをしながらしっかりと自分の身体や呼吸に意識を向け続け、

頭ではなく身体の感覚を『感じる』事に集中する事です。

未来や過去ではない『今、ここに在る事』を身体や呼吸を通して意識を集中させ、

『考える』から『感じる』へのシフトチェンジの時間とも言えます。


最後に行う瞑想は難しいイメージですが、決して『無』になる事を求める時間ではありません。


でもこのステップでヨガを行えば、身体と呼吸は調整され、自然に脳の働きも休まり、

そして静寂した心が宿ってきます。



私たち人間の思考は彷徨い続けるものでありながら、

クラスが始まる前と後では

思考が休まり、

感情が休まり、

頭も心も少しでも穏やかに安らいだ状態であると良いなと思っています。